その他

入札時の注意点

何かしらの「補助金」が交付される自治体主導の施設整備(新規施設の建設)には、必ず「入札」がついてまわります。

入札とは・・・地方公共団体などの公的機関が民間業者に向けて業務を発注する調達制度のことです。中央省庁、地方公共団体における発注は、その財源が税金で賄われていることから、「良いもの」、そして「「より安いもの」を落札⇒目的の業務を実行すること。

財源である税金が「補助金」ということになります。

税金で賄われている以上、地方公共団体などの公的機関が民間業者に対し業務発注先を決める際は公正に決めるのは当然の流れですね。

先日、ある事業者様から入札を執り行った際に以下のようなことがあったことをお聞きしました。

入札時には「入札書」という、封書に各民間業者様の「業務を実行するためにかかる金額」を記入した書類をいれて、いざ落札(一番安い金額の民間業者様)します。その際の封書が〆られていない業者様がいたみたいです。

これの何が宜しくないのか?

その民間業者様の金額が見えてしまう可能性、また、それを見て他の民間業者様が予め〆ていない封書から違う金額が書かれた入札書に移し替える行為をされてしまう危険性があるということで、自治体によっては「封書が〆られていない」ことを発見次第、その民間業者様は入札行為ができないという事態も起こります。

実際にひと昔前には上記に書いた行為を平然と行う民間業者も居たそうです。

先ほどの民間業者様はもちろんそのような行為を目的としたわけでは無く、単純に封書を〆忘れた様子だったので、入札書を提出する前に地方公共団体の担当者の目の前で、封書に糊付けをしてもらい、入札書を提出してもらったとのことです。

小さい事柄ではありますが、その小さな行為ですべてが無になってしまう可能性が孕んでいることは確かです。

入札に臨む民間業者様はくれぐれもお気をつけてくださいませ。

※本件ブログの内容と添付画像は一切関係しておりません。

「スピードが勝負なんです。」

先日、とあるハウスメーカーの営業の方とJAさん(農協さん)とお打ち合わせをした時の話です。

このハウスメーカーの営業の方、佇まいもさることながら丁寧な営業をされるので非常に信頼を置いている方です。

私どもとそのハウスメーカーの協業で取り組もうとしているプロジェクトの打合せをJAさんとした後、JAさんとそのハウスメーカー営業の方で取り組んでいる案件の話になりました。

ハウスメーカーの営業の方が電話で席を外した際に、JAの方が私にこんな話をしてくれました。

「〇〇さんは、ウチのお客様(地主さん)を紹介して、ウチが提案できないような業態のテナントさんをピックアップしてくれる。 しかも、多種様々なテナントさんを紹介してくれる。 勿論、全部がうまく事が運ぶことは無いんだけど、良いことも悪いことも報告してくれるんだけど、何にしても全部レスが早いんですよね。こちらも安心して情報を投げられるっていうか。・・・」

打合せの後、 そのハウスメーカーの営業の方に上記の話をしましたところ、こんな話をしてくれました。

「特に商業系のテナントはスピード命なんですよ。ダメならダメで次に行くしかないし。1個1個、なんて馬鹿丁寧にやってたら当然付くものも付かないし(テナント付けのこと)。 かと言って、無暗矢鱈にテナント情報を投げても、ニーズにそぐわなければ迷惑なだけだからしっかりお話は聞かないといけないけど(笑)。」

丁寧かつレスが早い。

シンプルですが、こうしたことが信用の積み重ねになると改めて思い知らされました。

日々精進ですね。喝。

まちづくり条例の始まりと概要

建築をする際、様々な申請や検査等がありますが、その中でまちづくり条例に注目していきたいと思います。

そもそも『まちづくり条例』とは何か?⇒ 開発行為や建築 行為に対して、都市計画法や建築基準法の基準及び手 続きを超えて、自治体独自の基準及び手続きを強制力を 伴って課している条例のことである 。

最初に採用したのは、兵庫県川西市(1966年の宅地開発指導要綱) であり宅地開発による自治体の財政圧迫を回避するためのものでした、特にこの時は都市計画法による開発許可制度がまだ登場していない段階だったので、自治体を守るために作られました

都市計画法や建築基準法の枠を超えてということで自治体によって様々ですが、まちづくり条例はまず大きく4つ流れがあります

1.開発・計画の事前周知

2.住民・事業者応答機会の確保

3.申請書の提出

4.違反是正措置(違反していた場合)

事業者・近隣住民・行政担当のなかでどんな意見が出るか予想がつきにくく、調整等のスケジュールによっては事業の開始が遅れる可能性が出てくるので、事業者・申請等の実質手続きをする者は特にその自治体のまちづくり条例がどのようなものか、どういった要望が出やすいのか、スケジュール等を確認する必要があるといえます。

あれ、「畑」でした!?

今回はとある住宅街にある土地でのお話です。

S県で進めている保育園計画があり、とあることで今現在の土地登記簿謄本の地目を確認することがありました。

元々、区画整理事業で整備された土地なので、私どもはてっきり地目は「宅地」になっているものと思っておりましたが、どうやら地目は「畑」です。

この場合、農地転用の「届け出」をしないといけませんね。(不動産業者さんは「のうてん」と略称で呼ぶことが多いです。)

農地転用には「届け出」申請と「許可」申請の2パターンございます。

「届け出」申請・・・市街化区域内にある「田」「畑」を宅地や道路に転用するときに必要です。その自治体にある農業委員会に必要な書類(届け出申請書、公図、登記簿(原本)等)を提出後、だいたい1週間以内(自治体に依ってまちまち)で転用が受理されます。転用の受理が完了後、登記簿の地目を「宅地」に変更して農地転用完了です。

「許可」申請・・・まず許可が必要な土地を以下に挙げます。

・市街化区域外の土地(転用面積4ha以下になる場合)…
この場合は「都道府県知事の許可」が必要です。
★都道府県知事から市町村へ権限を任せられている場合は、農業委員会が許可を出します。

・市街化区域外の土地(転用面積4ha以上になる場合)…
この場合は「農林水産大臣との協議」が必要です。

他にも農地転用自体が原則不可なもの等、規定が諸々ありますが、「許可」申請の場合は許可申請に必要な資料が多岐にわたりますので、司法書士さん等の専門家に協力を頂かないと許可にこぎつけるまで非常に難しいかと思います。

確定”してない”測量?

先日、ある町の保育施設案件のプランニングを進めていく中で、弊社の別の設計士から以下のような指摘を頂きました。(※情報漏洩防止のため、固有名詞等はブランクまたは変更しております。)

「 そういえば、〇〇町の計画地確定測量図の北側の2項道路に関して、境界確定は済んでいるのでしょうか? 〇〇町では「道路境界図」があるはず。もし、境界確定していない場合は「道路境界確定協議立会及び境界確認の交付申請書」のような書面で確定されるはずなんだよね。」

確かに調べてみると、計画地北側の道路境界は確定されていない状態です。 

そこで、私どもはこの計画地の確定測量をされた土地家屋調査士に連絡をとり、「本件北側の2項道路の根拠資料のご提出」を依頼しましたところ、以下のような回答がきました。

『 本件北側道路は添付した図面の通り、〇〇土木事務所 にて戦災復興復元図を保管しており、道路境界線は公的に図面、 座標にて管理されております。
今回の道路線形は、〇〇土木事務所、△△地方法務局と協議して戦災復興復元図に基づき復元したものであります。   道路反対側土地所有者のB様は境界立ち会いしましたが、・・・・(中略)境界同意書にはご署名を頂けませんでした。
しかしながら、道路境界線自体は戦災復興図面等で〇〇町で管理しており、
確定しているようなものなので、本件計画地と接する道路境界線等については、
土地地積更正登記を△△地方法務局に申請し、△△地方法務局職員と〇〇土木事務所の職員とで境界線について直接協議して頂き、境界確定に至った次第であります。

土地確定測量図は道路使用部分と宅地部分とで単純に区分けしただけであり、道路中心からのSBではありませんので、道路中心線の認定については、〇〇町建築指導課等と11月3日に打ち合わせします。(〇〇土木事務所は今日現在の現況道路敷部分の中心線からセットバックするべきとは言っていましたが。) 』

・・・・。 結論としては、計画地北側の道路境界は確定していないですね。もっと言えば、道路境界があやふやなままなのに「確定測量図」とはいえませんよね?ということです。

現況道路敷地部分の中心線からセットバックをするとなると、土地所有者様(今回の保育所計画のために購入した投資家様)から預かっている”確定測量図”の北側の敷地がかなり削り取られます・・・。(添付画像参照) 

道路反対側土地所有者様から境界同意書を頂けない以上、現況道路敷地からのセットバックをかけるしかないのですが、建物の配置をずらさないといけないのは言うまでもありませんが、これは土地所有者様 (しかも購入したばかり) からしたら当然納得できないのではないでしょうか? 土地家屋調査士が「道路境界があやふやなまま確定測量図を作成した」事実は重く受け取るべきです。

確定測量図を元に不動産会社さんも土地を販売するのですから、今回はその根幹となる部分が揺るがされたのです。

敷地が削れる中でもプラン中の建物自体は配置移動だけで済んでいるのは不幸中の幸いです。 ですが、上記記載の様に今回の事は私どもにとっては結構な衝撃ではありました・・・。