先日、とある老人ホーム様から、大規模修繕工事についてご相談をいただきました。
『どのような流れで進めたら良いのか?どのような工事がどこまで必要なのか?予算はどのくらいなのか?』という漠然としたところから、このご時世ですのでまずはWEB会議形式にて簡単に説明させていただきました。
その後、図面をお預かりし、実際に建物調査診断を行って参りました。
建物調査診断では、屋上防水、外壁塗装、鉄部塗装、シーリングなどの劣化状況を調査した上で、どのような修繕方法が適しているか、また修繕工事をどのタイミングで行うのが良いか、予算はどのくらい見込めばよいかを報告書にまとめて提示いたします。
ここでのポイントは、足場を建てなければできない工事と、それ以外を分けて考えることです。
例えば同じ外壁修繕工事でも、バルコニーが回っている足場不要な場所で、劣化もさほど進んでいなければ工事自体を先送りでき、その分予算を削減できることになるからです。
(施設の場合、専用使用部分であるマンションのバルコニーとは意味合いが異なりますので、マンションよりも予算に応じて調整しやすい部分です)
今回の調査診断では、外壁は築年数の割にはまだ良好な状態でしたが、写真のように上階の庇部分にクラックが見られました。地震などによる建物の揺れを、室外機付近にある目地で吸収することによってクラックの発生を防いでいるのですが、外壁に入れてある目地とバルコニーや庇の目地がズレているために、目地で吸収しきることができずにクラックが発生しています。
本来ならば新築の時に、ここまで考慮して目地の位置を決められるのが理想ですね。
大規模修繕工事は約15年に一度のことですので、このように「そのうちやらなきゃならないのは分かるけど、どのように進めていったらよいか?」という漠然とした気持ちでいらっしゃる方が多いと思いますが、ご連絡いただけましたらWEB会議などでも説明いたしますので、お気軽にご相談いただけましたら幸いです。